クマに出会ってしまった場合はどうするか？の回答で、見えない先の
場所にクマがいることを想定しての心構えと対応、それと十分な装備
を備えることが大事である、ということが、私の考える交通安全にも
通ずるところがあり、興味深かった。

今でこそ環境保護が流行のようになっていますが、これほど前から取り組んでおられる方がいらっしゃるということに感動しました。
何をするにしても最初に新しい事をするといろいろ批判を受けたり反発が相当あったことと思いますが、【コロンブスの卵】を誰かがやらなければならないという強い意思と行動力にとても感銘を受けました。

正しい行いや、本当に良いものは、時間が掛かってもいづれ世の中に理解されるものだと再認識しました。現代の自然破壊や地球の危機を、動物の視点から、押し付けがましくなく、静かに且つ力強く、写真で表現する手腕、事実を見抜く心眼に恐れ入りました。

今回は２時間の時間設定で開催されたが、講演内容としてはいくつかのフェーズに分かれており、且つ、それぞれの内容に関して深い部分まで踏み込んで話されており、これだけの内容を２時間で「概論的」に講演されたのだと思うが、正直あまりにも情報量が多く、提示された内容を刺激として受け止めるのが精一杯だった。しかし、得られた情報の質は明らかに誰かに与えられたものではなく、宮崎さん自身が独力で積み上げてきた情報であることに驚きも感じた。能力開発委員会としては、取り上げるべきテーマも多く、単一のテーマに多くの時間を掛ける事は難しいかもしれないが、出来れば別個に掘り下げて実施いただければ、と思う。

「１００年前に狼を死滅させて日本の生態系が変わった」という言葉が
ありました。日本では、その時から環境が変わり始めていたのだと感
じました。また、この近代１００年間で相当自然を壊し、便利な生活に
溺れて、その影で野生動物に対し対応を摂ってこなかったツケが出て
きているのだと思いました。近代社会と直結する製品を開発している
我々は環境保護の観点から更なる努力をしていく必要があると思い
ました。その他にも「ここ２０数年でクマが増えている」という点について
も驚きました。ＴＶ・新聞などでの報道で、山に食料がないからクマが
里に下りてきていると思っておりましたが、実際に鮮明な写真により
クマが人間の生活圏に入り込んできていることを知り驚きでした。写真
という正確なデータで検証されている点が、写真家というより研究者と
いう感じがいたしました。（ＴＶ・新聞などが、いかにお粗末なのかを改
めて感じると共に、正確な情報とは何なのか？という思いが致しまし
た）

「足元の変化にみんな気付いていない・・・」という宮崎さんの感性の豊かさに共感いたしました。今まで誰も見てこなかった・見ようとしなかったものに背を向けず、世の中にどういうことが起こっているのか一枚の写真で表現されるプロ精神に見習おうと思います。

自然界のバランス・利便性の向上と文化の崩壊・現実をよく観察して
事実を把握する事の大切さ・美しいもの、汚いものも含め、初めて見
せていただいた写真に本当に驚かされました。

◎人間が生きる為の人工的な設備・施設・施策などが、ここまで自然界
の環境を狂わせているということが驚異でした。何気ない日々の活動
にも連鎖因果があることを考えなければいけないと思いました。何が
今すぐ出来るということはないのですが、皆が考えるということから、
環境が少しでも良くなることにつながると考えたい。非常に有意義な
講演会だったと思います。