環境問題/エコロジー講演会 講師の依頼はこちら

写真展の講評・写真撮影ワークショップ

(gaku塾講座・カメラぶれ克服法の内容より抜粋して紹介します)

『良い写真を撮影するには、カメラブレ対策がまず基本』

撮影会にて指導を受ける

カメラブレはすべてを甘くする

写真表現で、どうしてもパンチの効かない写真というものがあります。
そういう写真にいちばん多いのが、カメラブレが原因していることがよくあります。
カメラブレとは、いわゆる撮影する瞬間にカメラが動いてしまっているということです。
カメラが動いてしまえば露光中に、レンズで焦点を結んでいるところと、写している風景などのズレがでてしまうために、うまく焦点が結べないからピントも甘くなりパンチが効かなくなるということです。
このため、カメラは動かさないようにする工夫が必要なのです。

(1)カメラブレはすべてを台無しに
(2)ぶれていない例

呼吸法

 カメラのシャッターを切る瞬間ですが、人にはそれぞれに特徴があります。
  たとえば、息を止めて、シャッターを切る人。
  息を吸いながら、シャッターを切る人。
  息を吐きながら、シャッターを切る人。

この瞬間は意識してみないと分からないものですが、ボクは息を「止めて」シャッターを切るタイプです。
ですから、写真撮影に夢中になっているときは、その瞬間だけ呼吸が止まっているのと同じ状態なので、とても疲れます。
まさにボクにとって写真撮影は重労働なのですが、みなさんはどのような瞬間にシャッターを切っているのでしょうか。

構え方の工夫

(3)肘を開いて不安定な構え方の悪い例↑
(4)肘は体にぴったりと付けて、足は肩幅に開いて、全身で安定感を出す

さらに、デジタルカメラの場合は、モニターを見ながらの撮影もありますから、このような姿勢だと接眼レンズを覗くときより姿勢が不安定になりますのでカメラブレにもつながりやすいです。

いずれにしましても、自分にいちばん合った方法で安定したカメラの構え方を探るのがいいでしょう。
そこに、呼吸法をプラスして自然体でシャッターがきれるようになるといいでしょう。

(5)コンパクトデジカメは
モニターを見ながら撮影する機会が多いので、
どう しても腕が伸びて不安定になりやすいです。
(6)モニターを見ながら撮影するときでも、
肘はきっちりと体につけて安定をはかりながら
撮影することを心がけたいものです。
(7)一眼レフタイプのデジカメも、
できればファインダーを覗きながら安定を はかりたいものです。
(8)条件が許せば、膝や肘も三脚がわりになるように、
使いたいものです。その上で、
カメラも額や頬にしっかり押しつけて固定をしましょう。
(9)近所に利用できるものがあれば撮影中でも、
それらは積極的に使うべし。
肘や体を立ち木などにくっつけるだけでも簡易三脚になります。
(10)これは、500ミリを手持ち撮影している例です。
三脚座を左掌に乗せ、左肘は脇腹にぴったりくっつけ、カメラボディーは 肩に乗せたり支えたりします。
この姿勢で動きを追うときも、腰に重心を置いて、あくまでも構えのスタイルを変えてはなりません。
こうした望遠レンズでも訓練してみれば、案外撮影ができるようになるものです。
そして、数枚でもブラさずに撮影ができると、あとは自信にもつながって いきます。

自分の限界を知っておく

野外撮影会にて
そこで、実際のブレ対策ですが、人にはそれぞれに筋肉の付き方がちがいます。
ですから、同じような構え方をしてもブレやすい人と、そうでない人がでてきます。
このような時は、構え方のテストをしておいて、自らのブレ「限界」を知っておくということも大切なのです。
そのテスト方法は、普段使っているカメラで、シャッタースピードを任意に選んで、撮影してみることです。

自分のカメラブレ限界度テスト方法

グループ写真展での講評
  1. フィルムカメラの場合、スライドフィルムを4〜5本用意して、60分の1秒のシャッタースピードで36枚すべてを撮影します。
  2. これをそれぞれ、 30分の1秒、15分の1秒、8分の1秒、4分の1秒… っといった要領で、それぞれのシャッタースピードだけでフィルム1本ずつ撮影しきってしまう。
  3. こうして撮影したスライドを現像して、10倍ルーペで確認しながらブレをチェックします。
    10倍ルーペで見てピントが若干甘いと感じるような写真は、すなわち印刷やプリントにしても救えません。
    このようなときには心を鬼にしてポジを捨てなければなりませんが、自分自身の限界を知ると同時に自身のブレ打率も知っておくと便利です。
  4. たとえば、30分の1秒で撮影したフィルム1本の中に10枚ブレている写真があるとすれば、その後の撮影チャンスの際には3枚連続撮影しておけば、およそ1枚は確実に拾えるという計算ができます。

自分の限界を知る

こうして自分自身のデータを出しておけば、もっと条件の悪い撮影などでも限界を知ることができて、チャンスをより生かすことができるからです。
このようなテストは、カメラを新しくした場合にも必ずやっておいたほうがいいでしょう。
また、一眼レフなどで新しく交換レンズを買った場合にもこうしたテストを繰り返しておけば、その後の作画にも大きな自信につながってきます。

その結果、ボクは、600ミリの超望遠レンズでも三脚なしの60分の1秒で「手持ち」撮影ができるようになりました。
デジタルカメラでは、こうしたテストにはフィルム代がかからないので、とにかく自分自身のデータだけはきちんと取っておくことです。

機種によってもブレる

デジタルデータを上映しながらの講評

カメラなら、何でも同じと思っている方が少なくありません。
同じメーカーでありながらも、それぞれ発売されている機種によってブレやすいカメラとブレにくいカメラがあります。
シャッターレリーズボタンのストロークが硬かったり、重たかったり、長かったり… これらは機種ごとに全部ちがいますから、その操作段階で余分な力が加わったりして、返ってブレの原因をつくってしまうことも少なくありません。
このためにも、使用機種の特徴を自分自身でつかんでおくべきなのです。

また、一眼レフなどでもシャッターを切ったときにミラーが跳ね上がりますから、その振動をどの程度に吸収するかはメーカーの設計段階に組み込まれています。
投入する機種がどのレベルのユーザーに使用されるかを想定して設計と販売戦略が組まれますから、これは製品の値段設定にも関係してきます。

いわゆる作品づくりにシビアなプロカメラマンはギリギリのところで仕事をしますから、そのようなユーザーを対象とした機種はショックダンパーの素材ひとつにしても吟味してブレ軽減を計っています。
それゆえに、カメラの値段もそれなりに高価なものになっていくのです。

また、そこまでは必要としないユーザーには、そうした機能を省いているかわりに値段も安価に設定して市場に投入してきますから、一口にカメラといっても千差万別ということになります。
こうした理由がありますので、はじめからプロ用として開発されてきた高価な高級機カメラはブレにくい機構にもなっているものが多いです。
もっとも、それすらも各メーカー間での開発姿勢の格差もありますから、高級機でなくても中級機クラスでブレにくい機種もあります。
このため自身の使用機材のテストは自分自身で済ませて、適材適所に使用することをお奨めします。

軽いカメラはブレやすい

こうしたカメラ開発の流れをみていきますと、基本的にはコンパクトカメラでのスローシャッターはブレ易いと思っていいでしょう。
手持ち撮影でこのようなカメラを使って、暗いところなどでスローシャッターを切ると、ほんとうにブレてしまうからです。

その原因は、軽量コンパクトといった開発コンセプトにあります。
軽くて小さいからポケットにも入るし気軽に使えますが、軽いがゆえに手ブレも起こりやすいからです。

もっとも、このようなカメラにオールマイティーの過大な期待をかけてしまうこともよくありませんから、使用するTPOを考えるという方法がいいでしょう。
それでも、こうした軽いカメラを条件の悪いところで使用しようとするならば、ウエイトをつけて安定をはかるという方法もあります。
そうした工夫は、別項の「機材開発」のほうで説明することにします。

とにかくテストで限界を知ること

こうしたテスト方法を繰り返しながら、コンパクトカメラの場合にはその機種のもつ特徴をあらかじめつかんでおくといいでしょう。
また、一眼レフのようにレンズ交換のできるカメラでレンズを換えたなら、その特徴を知っておいたほうがいいです。

近年は、一眼レフでもズームレンズだけで撮影されている方も多いので、ズームレンズという1本のレンズ内でも広角側と望遠側でのブレ方の差もありますから、そういったデータをとっておくのもいいでしょう。

こうしたデータをとってみると、望遠側より広角側のほうが意外とブレにくいことにも気づくからです。
そうしたことがわかってくると、広角レンズだとかなり条件の悪いところでも手持ち撮影が可能ということが発見できます。

若いころのボクが実際に20ミリという超広角レンズを使って、2分の1秒でもブレずに手持ち撮影ができることに気づいたときには、自分自身多いに自信をもったものです。

(11)(10)の方法で手持ち撮影した
ケアシノスリのホバリングスタイルです。
羽毛の動き具合からでも、シャッタースピードが
125分の1くらいな のがわかります。
(12)ダンプカーが通った振動に驚いてカメラに向かって飛んできました。
そ のケアシノスリをやはり(10)の方法で手持ち撮影。
このときのシャッタースピー ドは、60分の1秒くらいでした。
(11)晴天のなかでのハクチョウは、
500分の1秒以上のシャッターが切れ ます。
こういう撮影条件のいいときには、超望遠レンズも気楽に
手持ち撮影が できます。手持ち撮影の利点は、
自在に構図をとりやすいことにあります。

環境問題
エコロジー講演会
講演案内もくじ

講師
宮崎 学の
著書紹介

ツキノワグマ

騒音や人を恐れない新世代のツキノワグマが、着実にその数を増やしている。なぜツキノワグマは人を襲うようになったのか? 長野県を舞台にツキノワグマの変化を鋭く視つめ続けてきた動物カメラマン・宮崎学が、その謎に迫る。

洗剤キャップの
棲み心地は

自然環境は、人間の営みと共に変化している。「都市化」「国際化」「過疎化」「飽食」「ゴミ問題」…。環境変化の中で、野生動物はしたたかな戦略で生きている。数十年間、その変化を見続けてきた宮崎学が写真と文章でつづる最前線レポート。

死ーDeathinNature

自然界の生死にカメラを向けてみると、死を待っている生物がたくさんいることに気づいた。いわば、他の動物が死んでくれないと生きていけない生物がいたのである。他の生物に食われて自然に形がなくなっていく。それこそが、自然の生命としてもっとも幸せなことかも知れない。

<関連サイト>| 宮崎学写真館 森の365日gakuの今日のヒトコマツキノワグマ事件簿五感で観察するWeb自然図鑑
森の仲間コミュニティ(SNS)野生動物・森のライブカメラ
環境問題/エコロジー講演会のご案内をしています
動物写真家 宮崎学の視点でみた、自然界からの人間社会へのメッセージ